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キャッシングで「生命保険」というと「加入した後で海に沈められる」というイメージがあるかも知れませんが、現実の世界では、もっとクリーンな形で、生命保険とキャッシングが関わっています。

というのは、生命保険に加入して積立をしている人は、そこからお金を借りることができるのです。これを生命保険の「契約者貸付制度」といいますが、以下、詳しく説明します。

自分が積み立てたお金なので、金利が安い

契約者貸付制度の仕組みを簡単に書くと「自分が積み立てたお金から借りる」ということ。そのため、当然低金利で借りられます。

これは生命保険の世界では「解約返戻金」といって、解約する時に戻ってくるお金です。

という「いつでも解約したら自分がもらう権利のあるお金」なので、借り入れしても、非常に低金利なんですね。「というか、何で金利取られるの」と思う人もいるでしょう。

自分のお金なのに、なぜ金利が取られるのか？

これは、下のような理由です。

• その間に死んだら、死亡補償金が下りる
• 怪我や病気で入院した場合も、入院費用などが出る

ということです。そう、生命保険の本来の機能ですね。ただの預金だったら確かに無利子で借りられるでしょう。代わりにこれらの保証もありません。

これらの補償があるからこその生命保険であり、そういうところから借りているのだから「最低限の利息がつくのは仕方ない」ということですね。

で、金利はいくらなのか

金利は「2％～6％」程度です。その生命保険会社にもよりますし、その人の契約内容によっても当然変わってきます。しかし、大体このくらいの範囲内で前後します。

2％～6％という金利は、大体『奨学金・銀行の教育ローン・年金担保貸付制度などの国の融資』に匹敵します。つまりお金を借りる方法としては最安レベルの金利なので、この点は大きなメリットといえるでしょう。

返済期間は、生命保険の契約期間であればいつでもいい

また、返済が自由というのも契約者貸付制度の大きな利点です。生命保険の契約期間の範囲内であれば、いつでも自由に返済できます。

もちろん、利息がかかっている以上、できるだけ早期返済した方がいいわけですが、返済金額が普通のカードローン・キャッシングよりも圧倒的に長いというのは、大きなメリットです。

個人信用情報機関に、記録が残らない

生命保険の契約者貸付制度のもう一つのメリットとして、個人信用情報に借り入れの記録が残らない、ということがあります。「別に、記録残ったって、遅延・延滞しなければいいじゃん」と思う人もいるでしょう。

普通はその通りです。しかし、銀行員やキャッシング会社勤務の社員さんなど、借り入れの記録が残るとまずい人が結構いるのです。

実際、そういう人が闇金業者から借りるしかなく、ヤミ金に協力して動く…という実態が、人気漫画『闇金ウシジマくん』にも描かれています。そういう人の場合「ヤミ金に手を出すより遥かにいい方法」が、生命保険の契約者貸付制度…というわけです。

生命保険に加入して間もない人の場合はダメ

契約者貸付制度を利用する注意点として「生命保険に加入して間もない人は、利用できない」という点があります。理由は、

• 積み立てた返戻金から払うので、そもそも積立が全然ない
• 一定期間利用した、信用のある人にしか融資できない

ということです。前者については当然でしょう。「自分で積み立てたお金を借りる」わけですから、加入してすぐでは、そのお金がまったくないわけです。

後者については、生命保険も本来の業務とは別のことをする以上、コストがかかっています。コストをかけてでもこういうサービスをするには「確実にお金が返って来る」という信用が必要なのです。

私達が会社のために働くのも「毎月給料がもらえる」という信用があるからでしょう。「未来がわかっている」ということは人間にとってある程度大事で、契約期間が一定以上である人の場合、そういう「未来」を、生命保険会社に信用してもらえるということです。

というわけで、生命保険に加入して間もない人の場合、契約者貸付制度を利用することはできません。どのくらいの期間から利用可能になるかは、その生命保険会社のルールによって変わります。詳しくは、会社に問い合わせてみてください。

契約者貸付制度は、最短即日借り入れできる？

残念ながら、契約者貸付制度は最短当日借入はできません。どうしても融資まで大体1週間はかかります。

「どうしても急ぐんです！」と生命保険会社に訴えたら、多少は早くなるかも知れません。しかし、その場合も相当契約期間が長く、積み立てた金額も多くて「生命保険会社にとって、明らかな上客」である必要があります。

そうでなければ、こうして最短即日融資を求めるのはただのクレーマーのようなものであり、別に正しい行為でもありません。最短即日キャッシングがしたければ、消費者金融で申し込めばいいだけですからね。

というわけで、どうしても融資まで大体1週間かかりますが、この点は最初に理解しておいてください。どうしても「今日中にお金が必要」という人の場合、契約者貸付制度は使えないということです。

（あるいは、とりあえず消費者金融で借りて、その後契約者貸付制度に借入先を変更する、という方法がいいでしょう）

以上、生命保険の契約者貸付制度についてまとめました。生命保険に一定期間加入しているという人限定ですが、専業主婦の方に取っても、役立つ借り入れ方法の一つでしょう。