全国銀行個人信用情報センターのアルファベットの略称は「KSC」と「JBA」の2通りがよく使われます。どちらが正しいのでしょうか。結論は下の通りです。
ということです。つまり、「JBAがKSCを管理している」というのが「違い」なんですね。JBAの方が上部組織というわけです。
上の説明がKSCとJBAの違いですが、ほとんどの人のキャッシング審査ではこの違いは特に意味がありません。普通に申し込んで、普通に審査に通り、普通に借り入れするだけです。
あくまでカードローンの世界の知識を正確に知りたいという人のための情報です。ただ、過去にブラックリスト入りした人などが自分の個人信用情報を確認したい、という時には役立つ知識と言えるかと思います。
全国銀行個人信用情報センターとその他の個人信用情報機関(JICC・CIC)は、当然情報共有しています。それぞれに登録されているブラックリストの情報(事故情報・異動情報)を、お互いチェックできるようにしているわけです。
この信用情報のシェアは、「CRIN」というシステムによって行われています。CRIN(クリン)は「Credit Information Network」の略称。直訳すると「クレジット情報ネットワーク」ですね。そのままの意味です。
CRINの特徴として、借入・返済の履歴のうち「ネガティブ情報だけを共有する」という点が挙げられます。つまり、下のような内容だけを、共有するのです。
というものです。その他審査落ちなども軽度なネガティブ情報として、約6ヶ月記録されます。
というような内容が、個人信用情報の「ネガティブ項目」というものですが、CRINではこうした「悪い借入・返済の記録」だけが共有されています。「遅れずに返済した」などの「良いクレジットヒストリー」は記録されていません。
もっと、「頼りがないのは良い知らせ」のように「CRINに何もない=クレジットヒストリーが良好」とも言えるのですが…。
CRINではここまで書いた通り「ネガティブ情報」だけが共有されています。しかし、FINEという、JICC・CICが共同利用しているシステムでは「ポジティブ情報」も同時に記録されています。
FINEというのは「FInancial Information Network」の略称です。日本語にすると「金融情報ネットワーク」ですね。これもCRINの「クレジット情報ネットワーク」と同じで、そのままです。
JICCとCICは連携が強いので、このFINEを通して「良好な借入・返済の履歴も共有しています。そのため、たとえば過去の返済トラブルを帳消しにするために、いわゆる「クレヒス修行」をしている人は、JICC・CICの方が審査に申し込みやすいと言えるでしょう。
(後から積み重ねたプラスのクレジットヒストリーが評価されるからです)
ここで一応補足しておくと、クレヒス修行とは「個人信用情報を改善するために、わざと借金をして、遅れずに返済する」ということです。「わざと」でなくてもいいのですが、要は「たくさん借りて、たくさん返済する」という実績を積むということです。
具体的な方法としては、ハウスカード・デビットカード・プリペイドカードなどの「審査が甘い」あるいは「無審査」のクレジットカードを発行し、それで利用実績を積む」というものが挙げられます。
そして、このクレヒス修行はすべて「プラスの返済・借入の履歴」になります。先にも書いた通り、CRINでは「ポジティブな記録は共有されない」ので、クレヒス修行の効果がありません。注意してください。
(つまり、JICC・CICと提携しているカードローン業者で借りましょう、ということです。この人の場合は)
個人信用情報の影響を受けないキャッシングというと「独自審査の業者」を思い浮かべる人が多いでしょう。いわゆる「審査が甘い街金業者」です。「独自」というのは「個人信用情報と関係なく審査する」という意味ですね。
しかし、彼らは闇金業者ではないので、暴力的な方法で取り立てることはできないし、しません。そのため、回収不能にならないよう、クレジットヒストリーはしっかりとチェックします。つまり、いくら独自審査の業者でも、個人信用情報でブラックリスト入りしている人は、ほぼ借り入れ不可と考えてください。
では、どこが一番ブラックでも申し込みやすいのか。これは実は「アメリカン・エキスプレス」です。
アメックスは別に「審査が緩い」わけではありません。しかし、日本流の与信審査と違い「今の信用度を最重視する」という傾向があります。つまり、過去の返済トラブルはあまりこだわらないのです。
実際、「自己破産して、わずか数年でアメックスの審査に通った」という体験談・口コミは多く見られます。もちろん、これらの方は年収を上げたり、クレジットヒストリーを改善するなどの努力をかなりしたのでしょう。
誰でもできることではありませんが、努力次第でブラックリストを挽回できるというのは、過去に事故情報・異動情報を記録してしまった人にとっては、かなりの朗報でしょう。
以上、KSCとJBAの違いに始まり、個人信用情報機関の審査情報の共有についてまとめました。カードローン審査の仕組みを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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