特定緊急貸付とは「緊急の場合に、貸金業法第13条の2第2項の規定以上に融資していい・借りていい」というルールです。たとえば災害や急病、怪我などですね。
貸金業法第13条の2第2項の規定というのは「年収の3分の1までしか借りてはいけない・融資してはいけない」というルールです。緊急時にはこのルールを超えて貸し借りしていいということです。
特定緊急貸付が実施された例として、たとえば東日本大震災の直後のプロミスがあります。「東日本大震災における、被災者の皆様への対応のお知らせ」として、プロミスの公式サイトに今でもPDFがアップされています。
この時のプロミスの特定緊急貸付の条件をまとめると下の通りです。
という条件です。通常のプロミスのキャッシングは「17.8%」なので、半分以下というかなり優遇された金利です。
また、半年間は無利息ということで、多くの人が利子を払うことなく借り入れできたようです。10万円あれば、半年で返済できるという人は多かったでしょうから。
(もちろん、震災の被害がひどかった人の場合、半年を過ぎて利息がかかってしまった方も見えるかと思います)
特定緊急貸付は、市区町村が提供していることもあります。もっとも、これらは「貸金業法第13条の2第2項の規定を無視していい」という意味ではなく「役所が、ピンチをしのぐ手助けをする」という意味なので、正式名称は違います。
正式名称はその市区町村によりますが、たとえば東京都の江東区の場合、「応急小口福祉資金」という、江東区独自の緊急融資システムを持っています。ここでは、市区町村による特定緊急貸付の一例として、これを詳しく説明します。
江東区の応急小口福祉資金の金利や限度額などの条件をまとめると下の通りです。
という風です。まとめると「約1年~2年、10万円を無利息で借りられる」ということです。特例として20万円までOKです。
10万円あれば、大抵の生活のピンチはとりあえず切り抜けられることが多いでしょう。家賃くらいは払えるはずですし、食費も何とかなることが多いはずです。
働ける人だったら、この応急小口福祉資金を受けた後、日払いのアルバイトなどをすればその1ヶ月問題なく生活する…くらいのことはできそうです。
というように、これはあくまで東京都江東区の例ですが、それぞれの市区町村にこのような特定緊急貸付が用意されています(されていることがほとんどです)。
もしカードローン業者などの特定緊急貸付で借りられなかった、あるいは借りたくないという場合は、こうした公的な応急小口福祉資金を利用しましょう。
基本的に、こうした公的な借り入れ制度の場合、スピード審査は無理です。応急小口福祉資金にしても、「連帯保証人、民生委員などによる面談審査」があるということは、少なくとも最短即日借り入れはできないということです。
民生委員の人もそれほど暇ではないでしょうから、一番早くても「審査の面談は1週間後」というようなペースではないでしょうか(市区町村によるとは思いますが)。
そう考えると、応急小口福祉資金を借りる場合も、やはり数週間はかかると覚悟した方が良さそうです。国の融資である「生活福祉資金」の場合も、やはり申し込みから実際の融資までに3週間かかるので、最短当日審査・最短即日借り入れが当たり前の消費者金融や銀行カードローンとは、まったくペースが違うといえます。
ということで、急ぎで借りたい人は、公的融資は頼らず、消費者金融などを利用しましょう。公的融資ほどではありませんが、銀行カードローンならかなりの低金利ですし、信用金庫のキャッシングも同じくらいの金利で、ほぼ最短即日借り入れすることができます。
国の融資が一番利息が安いのは確かですが、やはり急ぎでお金が必要な場合は、まず「借りやすさ」を最重視するべきでしょう。
以上、緊急時のキャッシングや公的融資である「特定緊急貸付」についてまとめました。こうした制度があることを、緊急時の前から知っていれば、いざ緊急時に遭遇した時にも慌てずに済むでしょう。そういう風に役立てていただけたら幸いです。
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