国民年金の延滞金が発生しそうな場合、カードローンを使ってでも支払いした方がいいか―。これは人によります。
という風です。以下、詳しく説明します。
自営業の人は重々承知しているでしょうが、公的機関を敵に回すと厄介です。税務署にも目をつけられやすくなるからですね。
年金をごまかしたり延滞する人は、大体脱税をしている可能性も高いと判断されます。そのため、同レベルの年商の個人事業主が2人いたら「年金を滞納している方、あるいはしていた方から税務調査に行く」ということがよくあります。
もちろん、完全に同じ条件ということはめったにないので、あくまで「そういう条件だったら」という話です。しかし、税務署に睨まれないために、年金や保険料などの支払いも、すべて優等生でいた方がいいというのは、自営業・会社経営者の人だったら、もう嫌というほど感じているはずです。
そもそも、公務員の場合は「役所に勤務を開始した後」の年金は、すべて自動的に天引きされているはずです。そのため、勤務開始後は関係ありません。
ここで問題にしているのは「公務員になる前」の滞納分ですね。学生からストレートで公務員になった人は別ですが、民間から入った人などは「以前の延滞分」があるかも知れません。
国民年金の延滞の時効は2年ですが、もしそういう「昔の滞納分」がある場合は、早めに支払いましょう。公務員だからクビはないとは言え、昇進に響く可能性が、多少はあるからです。
(もしかすると、自治体のルールによっては「新しい職場=役所の給料から、自動的に滞納分も天引き」となっているかも知れませんが…)
どちらでもOKなどと書くと、社会保険庁から睨まれるかも知れませんが、これが正直な所です。というのは、国民年金の遅延利率よりも、消費者金融の金利の方が高いからです。
両者を比較してみるとよくわかります。それぞれの金利を書いてみます。
という風です。どちらも「実質年率」ですが、このように「消費者金融の方が高金利」なのです。ということは「あえて消費者金融で借り入れしてまで、国民年金の延滞分を払う必要はない」ということですね。
一方、銀行カードローンで借りて国民年金を払う…というのはありです。というのは、銀行キャッシングの金利は、下の銀行の場合、国民年金の延滞利率よりも安いからです。
楽天銀行・三井住友銀行などは「0.1%」という僅差ではありますが、それでも少しは低金利なことに変わりはありません。
下の銀行カードローンの場合、年金の延滞利率と同じ金利です。
この2つの銀行だと、とりあえず「安くなる」ということはありません。しかし、「年金の延滞で強制徴収される」というマイナスの記録=黒歴史を残すよりは、間違いなくキャッシングした方が得策でしょう。
ということで、三菱東京UFJ銀行・横浜銀行の金利までは、「カードローンで借りて払った方がいい」といえます。
逆に「借りた方が高金利になる」という銀行キャッシングは、下の通りです。
見ての通り、これらの銀行は、銀行カードローンでありながら消費者金融に近いレベルの金利になっています。先にも書いた通り、国民年金の滞納利率は「14.6%」なので、断然年金を滞納した方が安上がり…ということがわかるでしょう。
(もちろん、国民年金を払うのは義務なので、払わなければいけません。ここでは遅延を推奨しているわけではありません)
読んでいるうちに気づいた人もいるでしょうが、そもそもこの問題は「どっちを支払うか」ではなく「払うだけの収入がない」ということに問題があるのです。
いや、国民年金の保険料がそのように設定されているということは「年収は十分あるはず」なのです。年金保険料は、その人の年収に応じて決まるものですからね。
ということはこうして年金保険料が払えない人というのは、無駄遣いをしている可能性が高いわけです。これは年金の問題ではなく、その人の人生全般に悪影響を及ぼす問題です。
まずその支出を押さえることが大事ですし、抑制できないから稼ぎを増やすべきでしょう。そういう根本的な部分を解決しない限り、カードローンで借りて年金を払おうが払うまいが、同じです。
枝葉の部分ではなく、常にそういう根幹に着目し、そこから解決するという習慣を大切にしてください。
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