利子総額を減らすため、一番大事なことは「早期返済」です。「低金利の業者・銀行から借りる」ことも大事ですが、何よりも早期完済が一番大事なのです。
ここでは、早期返済がどれだけ利息総額を減らすか、具体的な返済シミュレーションを元に説明します。
まず、消費者金融より銀行カードローンの方が低金利なのは、知っている人も多いでしょう。それぞれ、下のような金利になっています。
という風です。銀行の方は、わかりやすく「15%」にして比較しましょう。クレジットカードのショッピング枠、信用金庫のカードローンなどは15%なので、それらと消費者金融の比較も同時にできます。
ということで、下の条件で借りたとします。
つまり、それぞれ下のような期間になります。
で、最終的に支払う利子総額は、下のようになります。
…というように、何と「15%」の方が約「12万5000円」も、多く利息を払うことになるのです。なぜこんなにも違うのでしょうか。
それは、初期の月々の返済額を比べるとわかります。「40回」という短期間(なのか?)で返済すると宣言した18%は、その時点で毎月のノルマが自然と多くなります。逆に「80回」というゆとり宣言をした15%は、毎月のノルマ(返済額)が小さくなるわけです。
という風です。これは最初の1ヶ月目の支払額ですが、ぜんぜん違うのがわかるでしょう。これだと確かに「最終的に12万円の差がつく」というのは、わかるはずです。
両者の差は、返済が進めば進むほどどんどん広がっていきます。たとえば20ヶ月目を見てみましょう。
「18%」の方は、相変わらず「1万6713円」を払っています。ただし昔と違うのは「ほとんどが元金の返済にあてられている」ということ。初期は、
という風に、半分近く利息に取られていました。しかし、20ヶ月の時点では、
と、実に元金分が利息分の「3倍近く」になっているのです。このように、「どんどん元本分が大きくなっていく、…というのが18%の方です。
逆に「15%」の方はどうか。まず、1ヶ月目の割合は下の通りです。
キャッシングの経験がある人は、この時点ですぐに違いに気づくでしょう。18%の方は、この時点ですでに「元金分の方が多かった」のに、15%の方は何と「利息分の方が2倍もある」のです。
ゆるい返済ペースを最初に設定した時点で、ゴールまでの距離が一気に違ってくる、というのがこの時点でわかるでしょう。その後、20ヶ月でどうなるか。
となります。18%の場合は、すでに「元本分が利子分の3倍」というハイペースで、後半戦に入っています。それに対して、15%の方は「まだ利息の方が多い」のです。
そして、18%の方が完済し終わる「40回」ではどうか。
15%の方はまだ返済していて、しかも元本分と利息分の差がほとんどありません。一応元本分が多くなりましたが、全然ダメなのがわかるでしょう。
これを見ても、「最初に厳しいハードルを自分に課す」というのが、いかに重要かわかるでしょう。中国古典の『岳陽楼記』には「先憂後楽」という有名な四字熟語があります。
「人より先に心配し、後で楽しむ」という意味ですが、まさにキャッシングの返済でも同じことが言えます。先に厳しいハードルを設定して、毎月1万6000円という大きな負担に耐えた18%の方が、断然後で楽になったのです。
逆に15%の方は、本来有利だったはずなのに、「自分に甘くあたった」ために、ウサギと亀のウサギのようになってしまったのです。
これはカードローンの返済だけでなく、人生のすべてにおいて言えるでしょう。18%の人の方が最初は辛かったでしょうが、途中から断然楽になったはずです。逆に15%の人は、18%の人の返済が終わった後でも、地獄を見ていたことでしょう。
世の中の何でも、人間がやっていることなので、そこには必ず人生訓があります。「借金の早期返済のシミュレーション」でも、それが言えそうです。
カードローンの返済シミュレーションというのは、数字が大量に出てくるので、しばしば間違います。大手のキャッシング情報サイトでも、今回と同じ利息計算をして、思い切り間違えていたので注意してください。
そのサイトさんでは、18%の「月々の返済額」を「約1万円」としていました(本当は1円まで正確に書かれていました)。
そして、15%の「9923円」と比較して「月々の支払い額はほとんど違わないのに、最終的にこんな差が出るなんて、恐ろしいですね!」と書かれていましたが、大きな間違いです。
18%の方の月々の返済額は、この記事で書いた通り「1万6713円」です。うっかりミスで数字を見間違えられたのでしょうが、これを真に受けると「なるほど、18%でも月々1万円で、これだけ安くなるのか」と勘違いしてしまいます。
自分で計算せずに、ネットの情報を鵜呑みにするとそのような失敗を招くので、必ず自分で計算するようにしましょう。
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